トラック運転手として長く働けば働くほど、程度の違いはあれ必ず事故にあうことがあります。
そんな時、トラック運転手が起こした事故の責任、賠償や保証はだれがどのように負担し、運転手の負担がどれ程なのか気になりますよね。
そこでこの記事では、トラック運転手が事故を起こした場合の賠償や保証、割合がどのようになっているのかについて詳しく解説します。
トラック運転手と事故の関係
事故は運転をしている時に起きるもので、仕事が運転である運転手は必然的に事故にあう確率が高くなる職業です。
特に乗務したての新人運転手は、一般車両とは違うサイズの車両で感覚の違いなどから、どうしても事故を起こしやすい状況にあります。
また、ベテラン運転手であっても避けようのないもらい事故など、運転期間が長くなればなるほど事故にあう可能性は高くなり、運転手にとって事故は切っても切れない関係にあると言えるでしょう。
トラック運転手には3種類の事故がある
ここでは、トラック運転手が関係する2種類の事故について詳しく解説します。
交通事故
トラック運転手と聞いて一番最初にイメージする事故が交通事故。
実際に、運転手が起こしてしまう事故の中で一番多く、長く働いていればみんなと言っていいほど経験する事故です。
物損事故や人身事故など、賠償や保証が高額になることが多く一部のブラック運送会社を除いて、任意保険を使用して賠償を行うことがほとんどです。
物損事故
トラック運転手には、交通事故以外に相手がいないような接触事故が起こります。
例えば、集配先の塀にぶつけてしまった、植木に接触して倒してしまった、屋根にぶつけてしまったなど、運転手の不注意で起こる事故が物損事故となります。
この事故も交通事故と同じく多くの運転手が経験する事故で、ベテラン運転手、新人運転手問わず起きる事故ですが、やはり車両感覚のつかめていない新人運転手の方が、事故を起こす確率が高くなっています。
その為、トラックでないと接触しない箇所にいかに気がつけるかが、事故防止には重要なポイントになります。
貨物事故
貨物事故は運転手特有の事故で、荷主から預かった荷物を破損させることで発生する事故となります。
積み込み中に落下させてしまった、フォークリフトの爪で荷物を刺してしまったなど、原因は様々ですが運転手が良く起こす事故で、破損事故とも言います。
こちらは荷物が高額である、特殊な商品であるなどの理由でなければ、運転手自身が自分で賠償することが多くなっています。
理由としては、「無事故手当てがなくなる、ボーナスの査定に響く」など、自分で処理した方が有益なことが多いためですが、運送会社が賠償し運転手負担なしで注意のみの場合もあります。
トラック運転手の事故責任について
トラック運転手が事故を起こしてしまった場合の責任や保証、割合についてですが一般的に運転手の全額負担は原則ないと考えていいでしょう。
理由としては、運送会社側には使用者責任や運行供用責任があるためです。
運送会社は運転手として雇用して利益を上げている以上、一定の危険や不利益も負担する必要があり、事故の責任を運転手にすべて負わせることはできません。
しかし、事故を起こした運転手には注意義務違反があり、責任を逃れることは出来ず会社と同じく責任を負い賠償を行わなければなりません。
運転手が賠償する金額の割合は?
賠償の割合ですが裁判になった場合、事故賠償でかかった費用の10%~30%程度を会社側が運転手へ請求できるという判例が多く出ています。
これは運転手と雇用側の運送会社が裁判まで争って出た判例ですが、実際に多くの運送会社では使用する事故保険の免責費用の負担を運転手にしてもらうことが多く、免責費用は使用保険の契約によって異なることがありますが、3万円~10万円程度が免責の範囲となっていることが多いようです。
運転手の事故や賠償に関する条項は、労働契約書に記載されていることもあり、労働条件によっては運転手の負担が増えることもあるので事前に確認し、これから運転手として働きたいと考えている人であれば、面接時などに確認しておくと安心です。
運転手の賠償責任が増える事故の原因について
運転手の全額賠償は原則ないと上記しましたが、事故理由が悪質であると判断された場合には運転手の賠償責任が増える可能性があります。
例としては運行中の飲酒運転による事故や、アオリ行為などの危険運転に当たる行為が原因となった事故などです。
万が一起こしてしまった事故に被害者がいた場合には、被害者救済の観点から保険の使用で賠償費用を賄えますが、被害者のいない事故であった場合には保険の免責事由に該当し、保険が使用できなくなります。
そのような場合では運転手の責任は重く、賠償の負担は大きく増えてしまい、最悪の場合には全額負担の可能性もゼロではありません。
このような状況を避けるためにも日頃から運転手としての責任を強く持ち、プロ意識を高く持つことが必要だと言えるのではないでしょうか。
まとめ
ここまでトラック運転手の事故責任についてご紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
この記事が実際に事故を起こしてしまい、不安に思っている運転手やこれから運転手を始めたいと思っている方の参考になれば幸いです。
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